【カゴメ編】有価証券報告書から読み解く企業研究【バイオ・農学系の就活採用】

食品 トマト企業研究
スポンサーリンク

今回の記事では、カゴメについて企業研究を行っていくよ!

エントリーすると自社商品を送ってもらえることでも有名な企業だね!

カゴメを代表する商品と言われて最初に思いつくのは「トマトケチャップ」だと思います。

国内で生産されるトマトケチャップの約6割がカゴメの商品であり、トマトを使った調味料やおかずの商品開発に強いことで知られています。

野菜嫌いでもおいしく栄養を取ることができる「野菜生活100」でも有名ですね。

トマトや野菜に関する加工食品業で有名なカゴメですが、近年では農業や国際事業にも積極的なのをご存知でしょうか?

今回の記事では、カゴメ株式会社についてHPだけでなく、有価証券報告書の内容からも企業研究を行っていきたいと思います!

スポンサーリンク

基本情報

商号カゴメ株式会社
経営理念「感謝」「自然」「開かれた企業」
平均年収767万円(41.2歳)
従業員数1611  [450] ※[非正規]
平均勤続年数16.9年
初任給院了:220,000円
大卒:207,500円
予想採用倍率308倍(技術職含む)
参考:東洋経済オンライン
採用人数研究技術系(研究):10人程度
研究技術系(工場):10人程度
事務系:20人程度
主な採用大学(技術職)各種国公立大学院, 早稲田大学大学院, 同志社大学大学院,  立命館大学大学院

カゴメ株式会社は愛知県名古屋市に本社を置く食品会社です。

カゴメと言ったらトマトケチャップのイメージが強いですが、近年「トマトの会社から、野菜の会社に」という経営ビジョンを掲げています。

現在では「野菜生活」シリーズをはじめとしたおなじみの商品から、ベビーリーフを無加工で販売する事業を始めとしたさまざまな野菜関連事業を行っています。

それでは、有価証券報告書をはじめとした公的情報からカゴメの企業研究を行っていきましょう!

カゴメの本社って愛知県なんだ。

地図上では東京に本社があるけど、これってどういうこと?

東京にも便宜上の本社が存在するけど、会社創業時の本社は愛知県で合ってっているよ。

愛知県で農業を営んでいた蟹江一太郎が創業した会社だから、その名残で今も本社が愛知にあるんだ!

有価証券報告書から見る事業内容

カゴメの事業内容と各種売上高について解説します。

これらの内容を正確に理解することで、会社の特徴や今後の成長性を正確に理解することができるのです!

しかし、多くの大学生はこの表から有益な情報を正確に読み取ることが難しいかと思われます。

研究室やインターン、就職活動によって何かと忙しい学生のために分かりやすく解説してみたので参考にしてください。

セグメント別売上高と事業利益

参考:カゴメ株式会社 有価証券報告書 ※百万円単位

カゴメのセグメント別売上高と事業利益についてまとめてみました。

農事業の事業利益に△がついていますが、2億2500万円分赤字になっているという意味です。

就活生の皆様にとって馴染みのない単語がいくつかあると思います。

「売上高と事業利益の違いって何?」

という方に簡単に説明すると、

売上高:商品やサービスを売ることによって得られた収益の合計額
売上総利益:売上高から売上原価を引いた値
営業利益:売上総利益から人件費、広告費、水道光熱費等のコストを引いた値
事業利益:営業利益に金融収入を加えた値

このような関係になります。

売上高の大きさは各セグメントに対してどれだけ力を入れているかを示しています。


カゴメの場合、国内加工食品業が合計で70%、国際事業が23%、農事業が5%、その他事業が2%となっています。

また、売上高を事業利益で割った値に100を掛けた値を売上利益率と呼び、この値が大きければ大きいほど効率的に稼いでいると評価することができます。

売上利益率 単位[%}

カゴメの売上高の約70%が加工食品の国内販売を占めており、営業利益率が8%程度であることが分かりました。

2019年度における農業事業は2億2千万円程度の赤字であり、生鮮ビジネスが利益率減少に大きくかかわっています。

一方で、海外事業は売上利益率が26%と非常に高く、今後も安定した収益が期待できる分野となっています。

次に、セグメント別の詳しい事業内容と今後予測されるリスクや問題点に移ります。

営業利益率って便利な指標だね!

同じ業界で比較する分にはとても有用な指標だよ。

「弊社を志望した理由」を答える際にも、他社との差別化がしやすいから調べておくとメリットがあるね!

加工食品

2019年度における加工食品の代表商品や業績について解説していきましょう!

先ほども解説したように、加工食品事業はカゴメの売上高の70%を占める主要事業であり、売上水準も堅調な分野です。

誰もが一度は食べたことがある商品ではないでしょうか?

日本社会に対して抜群の知名度を誇るカゴメ商品であり、今後も継続して売れるであろう人気商品です。

しかし、一見優良に見える加工食品事業も次のような経営リスクを潜在的に抱えています。

  1. 経済状況・消費動向に関するリスク
  2. 市場競争力に関するリスク

有価証券報告書に記されているリスク内容を一部そのまま引用すると、

1. 当社グループが製品を販売している市場は、その大部分を日本国内が占めております。したがって、日本国内における景気の後退、及びそれに伴う需要の減少、または、消費動向に影響を及ぼすような不測の事態の発生は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

2.当社グループ収入のかなりの部分は、変わりやすい顧客嗜好などを特徴とする激しい競争に晒されています。当社グループは、こうした市場環境にあって、継続して魅力的な商品やサービスを提供してまいりますが、これを保証するものではありません。当社グループが市場の変化を充分に予測できず、魅力的な商品やサービスを提供できない場合は、将来における売上の低迷と収益性を低下させ、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

引用:カゴメ株式会社 有価証券報告書

日本国内での販売額は減少することが予測されるため、海外展開を視野に入れた事業展開を行う必要がありそうです。

国内農事業

あまり知られていませんが、カゴメは1998年に生鮮トマト事業を発足させ、2019年にはベビーリーフやケーリッシュ等の葉野菜の生産に取り組んでいます。

ケーリッシュとはケールとダイコンを掛け合わせた新しい葉野菜であり、カゴメの登録商標を受けた品種です。

意欲的に挑戦している国内農事業ですが、今のところ安定的な営業利益を得られていないというのが現状です。

理由としては、

  • 農業そのものが天候や市場価格に左右されやすい
  • 労働集約型の農業であり、固定費が高く損益分岐点が高い
  • 事業内容が多様化され、マーケティング投資が分散されている

ことが考えられます。

天候に左右されにくい農業として工場栽培が挙げられますが、工場の建設費や維持管理費が高く広く普及していないのが現状です。

インターンや面接では、

① 低コストで工場栽培を行う方法

② 天候の影響を受けにくい農業ビジネスの提案

③ 毎年一定の収量を確保する方法

について自分なりの意見を述べることが大切だね!

国際事業

カゴメは世界で最も消費されている野菜であるトマトに着目し、世界規模でトマト事業の拡大を狙っています。

世界のトマト消費量は年間1.4億トンであり、このうち加工用トマトの割合は30%を占めています。

カゴメは加工用トマトの種子開発から栽培といった品種改良、トマトの特性を生かした一次・二次加工食品の製品開発及び販売を手掛けています。

国際事業の利益率は国内事業と比較して

国内事業は人口減少に伴う収益減少が確定しているため、将来的に海外市場を対象にした事業に主力をシフトしていくでしょう。

国際事業の利益率が国内事業と比較して高い理由はどうしてだろう?

考えられる理由としては『日本と比較して、海外では固定費が低く値下げ競争に巻き込まれにくい』ためと考えられるよ!

実際に、世界最大のケチャップメーカーであるクラフト・ハインツ社の営業利益率は約16%とカゴメの約2倍!

日本の場合、必要以上に高品質で低価格な商品を消費者が求めるために低い営業率になっているんだ。

なるほど。
他にも様々な理由があると思うから、インターンシップ時に直接社員に聞くのもいいかもね!

中長期経営計画

カゴメの中期経営計画は次のように発表されています。

<中長期ビジョン>
当社は、2015年に行った「10年後の環境予測」において「深刻化する国内外の社会問題」を認識し、特に取り組むべき社会課題を「健康寿命の延伸」、「農業振興・地方創生」、「世界の食糧問題」の3つに定めております。当社のありたい姿として「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」ことを掲げ、2025年までの長期ビジョンとして「トマトの会社」から、「野菜の会社」になることを目指しております。事業領域をトマトから野菜に広げ、価値ある多様な野菜を、多様な加工度・形態で、多様な市場に提供することにより、国内の野菜摂取不足を解消させることで「健康寿命の延伸」に貢献していき、連結売上収益2,500億円、連結事業利益200億円(事業利益率8%)を目指します。

引用:カゴメ株式会社 有価証券報告書

大企業では利益追求のみならず社会貢献に精力的な企業が多い傾向にあります。

これは、企業ブランドのイメージアップを通じて自社製品の価値を高めるという側面もあるでしょう。

カゴメの場合、現在衰退傾向にある地方農業を事業を通じて活性化させ、より多くの人々に健康で豊かに暮らせる社会を目指していることが分かります。

また、「トマトの会社」から、「野菜の会社」への変革も抑えるべきキーワードです!

安定した利益を継続的に生み出せていない国内農事業に投資していくという意思表示であり、

「どうすれば栽培した野菜を高付加価値で販売できるのか?」

という問いに自分なりの考えを持つことが大切だと分かります!

まとめ

今回の記事ではトマトで有名なカゴメ株式会社について企業分析を行いました。

トマトという野菜は地球上で最も生産されている作物であり、カゴメはトマトの加工技術に関して世界トップレベルであることに疑いはありません。

しかし、世界規模のケチャップメーカーと比較すると約2倍もの利益率の差が出る結果となっています。

このデータは『技術力だけではモノは売れない』という現代社会の世相を反映していると言えます。

カゴメにエントリーする理系学生の多くは研究内容をアピールしますが、

「どうすれば利益率を上げることができるのか?」

という視点を少しでも持つことで他の就活生と大きく差別化することができます!

今回の記事を参考に、自分なりの自己分析を進めてみてくださいね。

コメント

  1. […] […]

  2. […] […]