
◆実験が忙しい大学院生だけど、インターンシップには参加した方がいいのかな?
◆企業分析もしてないし、応募方法を調べるのも面倒だから行かなくてもいいかな…
今回の記事では、上記のような考えを持つ学生を対象に忙しい理系大学生・大学院生ほどインターンシップに参加するべき理由について解説したいと思います。
本記事のまとめ
- インターンシップに参加しない選択肢はあり得ない!
- 修士で就職する場合、重要度はインターンシップ>>>学会発表
- インターンシップの参加は学歴フィルター対策にもなる
- 理系のインターンシップ情報は理系ナビが無料でおススメ!

皆さんこんにちは!
2020年に国立理系大学院の修士課程を修了し、現在では民間企業の研究職で働いているふくろう博士と申します。
Twitter:@college_blog01
皆さんはインターンシップという制度をご存知でしょうか?
一般的に、企業が学生に対して自社の活動内容を紹介する『職業体験制度』の一種とされています。
それと同時に、就活生からの認知度が低いB to B企業は学生に対して自社の宣伝を行う貴重なPR活動の場になっているという側面も!
一方で、理系大学生からするとインターンシップに参加するメリットは小さいと感じる方も多いでしょう。
特に、学会発表や投稿論文作成に追われる修士課程の学生は一分一秒が貴重なもの。
「インターンシップに行く暇があるなら結果を出して学会発表しろ!」
と研究室のボスに言われたらどうしようもありません。多くの学生は貴重な夏休みのほとんどを研究生活に捧げる生活を送ることでしょう。
実際に、大学院生時代の私はこのような生活を送っていました。
しかし、民間企業のインターンシップに参加しないという選択は半年後の就職活動時に激しく後悔する羽目に...
そこで、今回の記事ではインターンシップには絶対参加するべき理由を解説していきます!

この記事で言及するインターンシップは『民間企業のもの』を対象としています。
インターンは事実上の早期選考
そもそも、なぜ企業はインターンシップを開催するのでしょうか?
企業にとってみれば、実際に入社してくれるかも分からない大学生のために時間と人員を使うことは一見無駄な行為に思えます。
インターンシップを開催するリソースを本業に注ぐことができれば、その分だけ企業の利益に貢献できるからですね。
すなわち、企業はインターンシップを開催することで何かしらのメリットを享受しているからこそ毎年開催していると考えられます。
企業にとってインターンシップを開催するメリットとは?
複数の理由が考えられますが、最大の理由は『採用コストを大幅に削減できること』
人気企業では、就職情報が解禁される3月に学生から大量のESが送られます。
具体的な数字で表現すると、2015年における明治(事務系総合職)のES数はなんと11000通とのこと!その年の内定者は4名だったことから、単純な採用倍率は2800倍近くととんでもない競争であることが分かっていただけたかと思われます。
あなたが面接官側の人間として考えてみましょう。
一万通近くものESを一通ずつ読み、その中から有望そうな学生を度重なる面接の結果10人程度まで絞りこむ作業を2, 3ヶ月間行う…
非常に手間と労力がかかる作業ですが、面接官(採用担当)は学生と面接することだけが仕事ではありません。
採用担当は企業から「目標内定者数」というノルマを課せられています。
せっかく集めた内定者も、入社直前で内定辞退されると企業にとって大きな損失とということですね。
以上の条件を踏まえると、企業が就活生に求める条件として
- 入社意思が強い学生
- 優秀な学生
の両方を満たす必要があります。
これらの条件について考えてみると、インターンシップに参加した学生は就職解禁後にESを提出した学生と比較して
1. 入社意思が強い
と判断することが出来ます。また、
2. 優秀な学生
の判断もインターンシップ中の勤務態度や課題解決能力からある程度正確に判断することができます。
少なくとも、30分程度の面接から得られる情報と比較してはるかに有意義でしょう。
以上の理由から、インターンシップは企業にとって都合がよい学生を青田買いすることができ、学生・企業双方にメリットがある制度であることが理解出来たかと思われます。

なるほど。ただ、多くのインターンシップでは
※直接の選考とは一切関係ありません
と明記されているけど、こういった企業でも参加するべき?

この但し書きは、「3月の就活解禁まで学生に対して選考を行ってはいけない」という就活ルールを名目上守るためのものだね。
こういった企業も暗黙の了解として採用を優遇する場合がほとんどだから、積極的に参加しよう!
インターンシップに参加するべき学生
インターンシップに参加するメリットについて解説しましたが、強く参加をオススメしたいのが
② 学歴に自信がない学生
上記の条件に当てはまる学生です。それぞれの理由について解説していきます。
農学・バイオ系の理系大学院生
インターンシップへの参加を強くオススメしたいのが理系大学院生。
大学院まで進学する理系学生は自分の能力にある程度の自信を持っており、専門性を生かした研究・開発職を視野に入れた就職を希望する人が多いと思われます。
しかし、大学院生の場合インターンシップが開催される時期は非常に忙しいもの。
多くの大学院生は、大学が休みとなる7~10月に開催される大規模な学会発表の準備に向けて実験の追い込みを行う時期だと思われます。
不幸なことに、インターンシップが開催される時期は学会シーズンと被りやすいという特徴があります。
毎年多くの大学院生がインターンシップと学会発表を比較検討した結果、学会を優先する学生が圧倒的に多数派になります。
多少個人的な意見になりますが、学会発表で得られるものは本当に少ないです。
今後の40年近い社会人生活を少しでも有意義にするためにも、インターンシップへの参加を強くおススメします。

本気で博士課程への進学を検討している人以外、学会発表を優先するメリットは限りなく小さいと思う。
企業の研究開発部門に配属されてからでも十分に身につけられる程度の教養やマナーしか身につかないからね。
学歴に自信がない学生
学歴に自信がない学生もインターンシップに参加するべきです。
理由としてはシンプルで、「採用担当者に自分が優秀であると直接アピールできるため」
人気企業を中心にその存在が囁かれる学歴フィルターですが、採用担当としても好きで高学歴ばかり採用したいわけではありません。
人材の多様化という観点から、特定の大学出身者ばかり採用すると外部機関から注意を受ける可能性があるためです。
求人サイトの採用大学一覧で、「なんでこの大学から採用者が出ているんだ」と疑問に思った経験はありませんか?
多くの場合は一般職のいわゆる「顔採用」ですが、一部はインターンシップ経由で採用しています。
学歴に少しでも不安のある学生は是非インターンシップに参加しましょう!

インターンシップ選考の段階で学歴フィルターはあるの?

少数派だけどあります(キ〇ノンとか)。
ただ、本選考では学歴フィルターがあるけど、インターンシップ選考ではない企業は意外と多いよ。
このあたりの情報は自分の大学OB, OGに聞くのが手っ取り早いね!
インターンシップの参加方法
インターンシップの参加方法は以下の2通りあります。
① 企業のHPから参加する
② インターンシップ情報サイトから参加する
それぞれの参加方法について解説します。
企業のHPから参加する
一番分かりやすいのが企業のHPから直接申し込む方法。
基本的には、「○○商事 2022 インターンシップ」とネット上で検索するだけです。
しかし、企業によってインターンシップの開始受付日はまちまちであり、去年の情報をHP上に掲載し続けている企業も存在しています。
「企業のHPで6/28締め切りと確認したけど、去年のインターン情報だった」
「毎日HPでインターン情報を確認しているけど、今日も更新されていない…」
「インターンに参加予定の企業へ一社づつ検索するのが面倒」
以上の理由から企業のHPから確認する方法は少し不便なので、②情報サイト経由での参加をお勧めします。
インターンシップ情報サイトから参加する
インターンシップ情報サイトは数が多く、どのサービスが最適か分かりにくい側面があります。
理系のインターンシップ情報を網羅的に知りたい場合は理系ナビがオススメです!
理系ナビではインターンシップの掲載だけでなく、
- 選考対策セミナー
- 職種研究セミナー
- 各種キャリア相談
等のイベントが定期的に開催されています。
無料で登録できるので、理系大学生は登録して損のないサービスです。
また、企業によってはインターン選考に筆記試験をはじめとした適性検査が存在します。
これらのテストに少しでも不安がある方は、WTI(WebTest for Internship)への登録をおススメします。こちらのサイトは有料登録(1500円/12ヶ月)なので、自分の学力と経済状況をよく考えた上で登録しましょう。
まとめ
今回の記事では、インターンシップの重要性と忙しい大学院生ほど参加するべき理由について解説しました。
修士一年生の場合、インターンシップが開催される夏は学会発表や実験によって忙しいもの。
つい目先の学会発表にばかり意識を向けがちですが、将来のために就職先の質を高めることが重要です。
自分が大学院(大学)に進学した理由を今一度振り返ってみましょう。
より条件の良い就職先を得るために進学したとすれば、修士の期間は就職活動に最も重点を置くべきだと私は考えます。
「就職活動なんかしている暇があれば実験しろ!」と仰る指導教員はあなたの今後の人生に対して一切の責任を取ってくれません!
今後の人生の選択肢をより豊かなものにするためにも、今日この時間から就職活動を本格化させていきましょう!
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