【正しい引用とは?】理系大学生が最低限身につけるべきレポートの作成方法を解説【表紙はいる?】

理系大学生が最低限身につけるべきレポートの作成方法を解説大学生活
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皆さんこんにちは。筑波大学院で修士(農学)を取得し、現在では民間企業の研究職に従事しているふくろう先生と申します。
Twitter:(@college_blog01

理系大学生であれば必ず提出しなければならないレポート課題。

高校生までの授業では、せいぜい受験対策に小論文を書く程度にしか長文を書くという経験がなかった皆さんにとって結構ハードな課題に感じると思います。

自分が書いたレポートに対して沢山のチェックを入れられた経験のある人は、

「同じ日本人同士なんだから、少しくらい紛らわしい文章でも前後の内容から分かってくれよ!」

と思うことでしょう。
(私がそうでした)

しかし、このレポートを正しく書くという技術を侮ることなかれ。

この正しく簡潔な文章を書くという技術は日々のレポート制作のみならず、卒論や修論の作成、卒業後に社会人として文章を作成する際にも大いに役立つ極めて汎用性の高いものです。

そこで、今回の記事ではレポートの書き方についてこれだけは理解しておきたい内容についてまとめてみました。

文章を書くという技術は文字通り一生モノのスキルとなるので、時間がある大学生のうちに習得しましょう!

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正しく伝わる文章を書く

誰に読まれる文章なのか認識する

レポートや卒業論文といった文章を書く場合、小説や評論とは異なり「必要なことは洩れなく記述し、必要でないことは一つも書かない」ことが重要です。

ここでいう「必要なこと」とは書き手が想定するものではなく、この文章を読む人にとって何が必要なことかを意識することになります。

実際、多くの大学生が書く実験レポートは実験の原理や公式的なやり方についてページ数の大部分を割いていますが、そのレポートを読む教員は既に知り尽くしている知識であり最低限書けば十分な情報といえるでしょう。

教員があなたのレポートを読むうえで本当に必要としている情報とは、

  • どんな実験を行ったか
  • 公式からどんな実験結果が予測されるか
  • その実験手法に対してどんな結果が出たか
  • 予測と結果に差異がある場合、なぜそうなったか
  • 実験結果からどのようなことが分かったか

といったものになります。

例えあなたにとって初めて知ったことであっても、その道の専門家にとっては常識的な内容を長々と書いてはレポートとしての価値は限りなく低いです。

読み手に取って必要なものが書けているかを常に注目しながら文章を書く癖をつけましょう。

紛らわしい文章を書かない

レポートを書く場合、読み方によって複数通りの解釈可能な文章は絶対に書かないこと。

例えば、次のような文章が紛らわしい悪文といえます。

私は黙って仕事をしている老人をみつめていた

この文章は
①黙って仕事をしている老人を、私は見つめていた
②仕事をしている老人のことを、私は黙って見つめていた

と同じ文章にもかかわらず複数の意味に捉えることができ、どちらの意味で書いたのか判別不可能です。

自分が書いた文章を見直してみて、このような表現が入っていないかチェックしておきましょう。

一文を短く行間を開けて書く

長い文章はその一文で伝えたい内容が分かりにくくなるため、可能な限り短い文章で意味が伝わるように書きましょう。

一例として、トーマス・エジソンの概要を一文でまとめた次の文章を読んでみて下さい。

「努力の人」「非常な努力家」「不屈の人」などとして知られているトーマス・エジソンはJ・Pモルガンから巨額の出資・援助をしてもらい、その資金をもとに蓄音器、白熱電球、活動写真などを発明した傑出した発明家として知られ、生涯におよそ1,300もの発明と技術革新を行った人物で通称発明王と呼ばれているが、自らの発明の権利を守るため訴訟を厭わなかったことから「訴訟王」の異名も持つ。

この文章から

  • J・Pモルガンから巨額の出資・援助があったこと
  • 蓄音器、白熱電球、活動写真などを発明した傑出した発明家であること
  • 通称発明王と呼ばれているが、同時に訴訟王とも呼ばれていたこと

ことが読み取れますが、単純に読みにくいしどの部分を強調して伝えたいのか分かりにくい文章となっています。

文章の基本である主語と述語の関係性が分かりやすく、その一文で何を伝えたいのかを明瞭にした文章を書きましょう。

また、手書きでレポートを作成する場合は、文字間を詰めず改行を多用して見やすい文章であることも大切です。

大学院生時代にTAとして細かい文字でびっしりと書かれたレポートを読む機会があったのですが、きれいな字であったとしても見ずらいため読み手に負荷を与えます。

レポート用紙なんて一枚たった数円です。ケチらずにたくさん使いましょう。その方が書く側も読む側もストレスなく作業できます。

文章の組み立て方のルール

文章は結論から述べよ

普段私たちが目にする普通の文章は、起承転結の順序にのっとって書かれています。

最終的に伝えたい結論が読む人に納得できるよう構成されており、漢詩にも取り入れられていた優れた文章術のひとつです。

これは論文も同様であり、

・序論で問題提起をする
・背景知識と問題を取り上げた理由を述べる
・実験方法と結果を記述する
・結果や先行研究との比較から結論を述べる

といった起承転結を用いた方式が採用されています。

しかし、近年では「結」の部分を〈概要(introduction)〉で簡潔に説明する様式が増えています。

こういった書式で書かれた文章のことを重点先行主義と呼び、概要部分を読むだけでこの文章に述べてある最も重要なポイントが分かるような文書に書き上げてあることが特徴です。

身近で具体的な例を挙げると、新聞記事の表題などが分かりやすいでしょう。

例えば、緊急事態宣言発令時の新聞記事の表題とリード文を抽出すると次のようになります。

全国に緊急事態宣言
新型コロナ 7都道府県から拡大へ
首相、感染拡大歯止め狙う

忙しい現代人でもこの記事のポイントはこれだけで完全に把握することが可能ですね。

このように、先行重点主義の手本は新聞の見出しにあるため、是非新聞を目にとって学びレポートや論文作成に応用していきましょう。

概観→細部の順番で物事を捉えよう

あなたが駅から大学までの道のりを尋ねられた時、どのように説明しますか?

① 目の前の十字路を直進し、左手側に郵便局がある交差点で左折。その後果物屋さんの横道を右に曲がった後突き当りを左方向にまっすぐ行ったところ
② 十字路を300m直進し、その後左折。3本目の十字路を右に曲がったT字路を左方向に1km道なりに進んだ突き当り

同じ道筋を説明していますが、前者を「微視型」、後者を「巨視型」といいます。

基本的には巨視型のほうが物事の全体像を把握しやすいため、レポート作成の場合は巨視型で作成することが推奨されます。

しかし、それよりももっと重要なのは

駅から大学は東方向におおよそ1km離れた場所にある

という大まかな位置関係を示すことにあります。この全体像さえ理解できていれば、大学と反対方向に歩くといった根本的な勘違いをしなくて済むでしょう。

これも「概観から細部へ」という原則に重点を置くことの重要性が理解できる一例ですね。

パラグラフを意識しよう

私がTAとしてレポートを採点しているとき、パラグラフ(段落)を区切らない、または区切りすぎる文章をよく見かけました。

このような文章は読み手にとって苦痛であり、書き手は第三者から指摘されない限り改善が難しい問題であるため自分が書いた文章を必ずチェックしましょう。

文章を段落分けする際のルールとして、一つのパラグラフ内に含まれている文章には「何について語るのか」を概念的に述べた文章が含まれるのが通例です。

例外もありますが、基本的にはパラグラフの一行目を読めばその段落の要約になるような文章が望ましいです。

これにより、読み手は各パラグラフの一行目を読むだけで大まかな概要を把握することが可能になります。

つまり、ここでも重点先行主義や概観から細部へという概念が採用されている訳ですね。

実際に文章を作成する際の注意点

デメリット

はっきり言い切る姿勢を大切に

日本人が論文やレポートを作成する際、「○○である」といった断定的な言い方を避けようとする傾向が非常に強いことが知られています。

これは、自説とは異なる可能性を無視して読み手に押し付けることは図々しいという精神が働くためですね。

このような明言を避けたがる傾向は日常生活の会話の中なら問題ありませんが、レポートや論文を作成する際には不適切といえます。しっかりと自分なりの考察を断定的に述べましょう。

断言を避けた文章というものは科学の世界では信用に値しない、という認識を持つことが大切です。

事実と意見を区別する

アメリカ人が日本でいう小学5年生で学習する国語の教科書の一部に次のような一節があります。

① ジョージワシントンは米国で最も偉大な大統領であった。
② ジョージワシントンは米国の初代大統領であった。

この文章はジョージワシントンに関する事実と意見についてそれぞれ述べられた文章ですが、多くの人は区別可能な例題でしょう。

①は意見、②は事実について述べられていますね。

しかし、学生が書くレポートや論文の中には書き手が事実と意見を区別せずに書く文章が散見されます。

そもそも、日本の国語の授業では事実と意見の区別について学ぶ機会がほとんどないため当然とも言えます。

事実:証拠をあげて裏付けできるもの

意見:何事かについてある人が下す判断。他の人はその判断に同意するかもしれないし、同意しないかもしれないもの。

具体的な例を挙げると、

① 故障の原因は機械の接続ミスによるものと推論する。
② 故障の原因は接続ミスだった。

同じ内容を書いているのにもかかわらず、①は意見であり②は事実として書かれています。

レポートを書く場合、書くべき内容が客観的な検討に堪える十分な根拠をもっている場合のほかは②のような書き方をしてはいけません

多くの理系学生が無意識のうちに事実と意見を混同させた文章を書いているので、この部分は常にチェックして文章を作成していきましょう!

付録:引用について

イラスト

レポートを提出する際、他人のデータや研究結果を報告するときは必ず引用する必要があります。

引用文献の示し方は番号方式とハーヴァード方式の2通りに分類されます。

今回は番号方式について解説します。

番号方式
「Takahashiら1)によると、○○」というように、文章に出てくる順番に番号を付け、文章の最後か各ページの下に書籍要素を記します。

そして、引用文献の要素は次の順番で記載します。いくつか見落としがちなルールがあるため、しっかりと確認しましょう。

Ⅰ) 著者名 (発表年). タイトル 雑誌名,巻数,所在ペ―ジの順に記載する
Ⅱ)発表年はカッコの中に入れ、閉じカッコのあとにピリオドを打つ
Ⅲ)雑誌の巻数はボールド体(太字)で書く
Ⅳ)論文タイトルは最初の1文字だけ大文字を用い、他はすべて小文字で書く
Ⅴ)雑誌名は,接続詞以外は単語ごとに先頭を大文字にし、イタリック体(斜体)で書く

掲載する論文や専攻分野、指導教員の好みによって若干の違いがありますが、上記のルールを守れば問題ありません。

実際に引用する場合、正式には次のように引用することとなります。

1) Kazutoshi Takahashi, Shinya Yamanaka (2006). Induction of Pluripotent Stem Cells from Mouse Embryonic and Adult Fibroblast Cultures by Defined Factors. Cell, 126 663-676.

参考文献

今回の記事の内容は「理科系の作文技術」の内容を参考にして執筆しました。

どの大学であれ理系学生を名乗るのであれば最低限これだけは読んでおく必要がある、といっても過言ではないくらい必要な情報が詰まっている一冊です。

遅くとも卒業論文を作成する4年生までに一読することをオススメします。

700円程度とちょっとお高めの学食一食分程度であり、自己投資によるリターンを考えると考えると破格のお値段といえます。



とはいえ、この書籍の唯一といっていい欠点として文章が堅くとっつきにくいところがあります。

皆さんの中にも一度手を取ってみたものの、なんとなく難しく感じて読み進められなかった経験がある人もいるでしょう。

そんな方にはこちらの漫画版がおすすめです!

堅苦しさや読みづらさが大幅に改善されており、初学者でも安心して読み進められるようになっています。

個人的には、学部1~2年生のうちは取っつきやすい漫画版を購入する方が挫折せずに学習できると思うのでオススメです。

真面目な文章を読むのが苦手な人は漫画版の購入をオススメします。



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